臨床心理学概論 002 精神分析
■ 2: 精神分析 ■
精神分析は、
・フロイトにより発見された人間の心の研究方法
・人間の行動に関する知識体系(精神分析理論)
・心の疾患に対する治療の体系(精神分析療法)
の3領域に分類される。
フロイトは、意識するには耐えない体験が無意識に「抑圧」され、それが不安や葛藤を引き起こすために心の疾患が生じると仮定した。従って精神分析療法では、無意識にあるものに気づき、それを「洞察」することにより治療は行われる。
【キーワード】
●人間の心の研究方法
●知識体系
●治療体系
●抑圧
●無意識にあるものに気づき、洞察することで治療は行われる
▼ 1. 人格の構造論
精神分析では
・エス(イド)
・自我(エゴ)
・超自我(スーパーエゴ)
の3領域に心を分け、その相互作用から心の働きを捉える。
エスとは、生物学的な本能に基づく直接的な充足を得ようとする心の働きで、様々な欲求の源泉。
自我とは、エスと超自我の中心にあり人間の内面を調整し、外界に適応する機能をもつ。この自我が葛藤を調節する際、さまざまな防衛機制が用いられる。
超自我とは、両親を中心とし社会的規範が個人に組み込まれたもので、価値規範となり自己を方向付ける機能をもつ。
【キーワード】
●エス
●自我
●超自我
▼ 2. フロイトの発達理論
フロイトは、性的な欲動は思春期から始めるのではなく、乳幼児期から存在しているものであり、エディプス期に抑圧されていたものが思春期に再現したものとした。
・乳幼児期(欲動のはじまり)
・エディプス期(抑圧)
・思春期(再現)
その後、この欲動を満たす身体部位から、
1.口唇期
2.肛門期
3.エディプス期
4.潜伏期
5.性器期
に分けた独自の「心理=性的発達理論」を提唱した。
▼ 3. 心理=性的発達
心理=性的発達理論は、口唇期、肛門期、エディプス期、潜伏期、性器期の5つに区分される。
第1段階の口唇期とは、口唇領域に快感(リビドー)を得ると考えた生後1歳ぐらいまでの時期。この時期、乳児は母親から授乳することを通して外界と交流が行われる。
第2段階の肛門期とは、肛門領域に快感を得ると考えた1歳から3歳くらいまでの時期。この時期、トイレット・トレーニングを経験することで、環境への主張的で能動的姿勢が芽生える。
第3段階のエディプス期とは、5歳から6歳になると異性の親への関心が芽生え同性の親を憎むようになるが、しかし、去勢不安により性への関心が強く抑圧される時期。またこの時期、両親への性同一視を行うことで性役割を獲得する。
第4段階の潜伏期とは、6歳から思春期に至るまでの性欲動が静まる時期。この時期、社会的規範の学習や知的活動にエネルギーが注がれる。
最後の性器期とは、部分欲動が性器愛を中心とする正常な性欲に統合される時期。
【キーワード】
●口唇期
●肛門期
●エディプス期
●潜伏期
●性器期
▼ 4.フロイトの精神分析の批判と拡大
代表格は、次の2人。
・個人心理学の創始者アドラー
・分析心理学の創始者ユング
アドラーは、人間は本能的な存在ではなく社会的な存在であるとし、性的衝動よりも社会的優越性を得ようとする自我の欲求を重視した。人間が劣等感を補償するためにより強く完全になろうとする意思があると考え、それを「権力への意思」と呼んだ。
一方ユングは、リビドーが生活力・心的エネルギーなどの原初的エネルギーの形態に過ぎないとし、無意識の積極的・肯定的側面を重視した。さらにユングは無意識を個人的無意識と人類に普遍的な集合的無意識にわけ、無意識の内容として抑圧された性的なものだけではなく、創造的なものが存在することも認めた。
【キーワード】
●個人心理学創始者アドラー
●社会的存在
●権力への意思
●分析心理学創始者ユング
●無意識の積極的・肯定的側面を重視
●集合的無意識と個人的無意識
▼ 5.心理療法の発展
精神分析では神経症のみを対象としていたが、より健康な人の自己実現や、より重度な障害の治療へと治療対象は移行。また、古典的精神分析療法は縮小したが、原理・技法を取り入れた治療は拡大している 。
【キーワード】
●神経症のみを対象としていた
●原理・技法は拡大
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