基礎心理学特論 010 認知心理学
■ 基礎心理学特論 010 認知心理学 ■
認知心理学とは、1950年前後から情報理論の発展やコンピューターの実用化、人工知能研究の試み等の影響下に成立した、人間の高次精神活動つまり認知過程の研究を主領域とする心理学の一分野である。認知心理学は、心理学がこれまでに別々に扱ってきた多くの基礎的な分野(記憶、言語、イメージ、学習、思考など)を統合的に扱う。認知科学という学際的学問領域の1つ。
認知心理学が成立した背景には、行動主義に限界が見えはじめたこと(条件付けにおいて心的過程の介在を仮定せざるを得ない、生物学的制約の問題、人間の意識過程の役割を無視できない、などなど)、周辺諸科学(情報科学、神経科額など)が発展したこと、コンピューターの進歩により人工知能研究が進んだことなどがあげられる。
認知心理学の特徴は、3つ。
1つ目は、モデル化とコンピューターシミュレーション。従来の実験においては別個に扱われていた人間の認知活動を一連の情報処理過程とみなし、コンピューターをモデルとして心的表象のレベルで記述しようとする試みである。
2つ目は、認知科学の一領域であること。認知科学とは、知を解明しようとする科学である。特徴としては知的活動を心的表象のレベルで分析しようとすること、コンピューターを心の1つのモデルとすること、学際的であること、などがあげられる。認知心理学は、この認知科学の中でも中心的な役割を果たしている。
3つ目は、認知科学者が研究対象とするべき12の主題のほとんど全領域に心理学がまたがっている点である。この12の主題とは、信念、システム、意識、発達、感情、相互作用、言語、学習、記憶、知覚、行為実行、技能、思考。
| 固定リンク
「第25回 基礎心理学特論」カテゴリの記事
- 基礎心理学特論 002 心理学史(2004.12.20)
- 基礎心理学特論 003 生理学的研究と精神物理学(2005.01.22)
- 基礎心理学特論 004 ヴントの心理学(2005.01.28)
- 基礎心理学特論 005 ドイツ心理学(2005.02.06)
- 基礎心理学特論 006 アメリカ心理学・前篇(2005.02.06)
コメント