心理学用語集・社会 035 印象形成
■ 心理学用語集・社会 035 印象形成 ■
印象形成とは、他者認知において他者に関する限られた情報を手がかりとして、全体的なパーソナリティを推論することである。
この印象形成の概念を最初に取り上げ、ある人物についての印象がどのような心理的機制によって形成されるかを実験的に検討し、それによって対人認知に関する研究を切り開いたのはアッシュである。
アッシュは、性格特性を表す形容詞のリストを用いて、そうした人物についての全体的な印象を記述させるという実験を行なった。その結果から、ある人物の全体的印象は「暖かい」、「冷たい」といった中心的特性を核として他の情報が体制化されることで形成され、決して個々の特性がモザイク的に合成されるわけではないことを主張した。さらにアッシュは、同じリストであっても呈示順序で全体的印象が異なることを示した。
今日では、性格特性について限られた情報から全体的な印象が形成されるのは、パーソン・スキーマや暗黙の人格観の働きと考えられている。また、印象形成の過程で、光背効果、寛大効果、ステレオタイプ化といった様々なバイアスが混入しやすいことも指摘されている。
▼関連知識
※1.アッシュ
アメリカに移住した心理学者。ウェルトハイマーの影響を受けゲシュタルト心理学に興味をもつが、ステレオタイプの共同研究に参加することで社会心理学に興味が移り、印象形成の研究を展開した。
※2.暗黙の性格観
ブルーナーらが提唱した概念。世間の人々が人の性格に関して漠然とした形で抱いている考えや信念。
※3.光背効果(ハロー効果)
他者の性格を判断する過程において生じるバイアスの1つ。他者がある側面で望ましい、あるいは望ましくない特徴を備えていると、その評価を全体的評価にまで広げて不当に高く、あるいは不当に低く評価してしまう傾向という。
教育現場で、バカな教師にとても良く見られる現象。
※4.寛大効果
他者を認知・評価する際に望ましい側面はより強調されて、望ましくない側面は控えめに・寛大に評価されやすい傾向。他者認知の際に生じる歪みの1つ。
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