■ 心理学用語集・臨床 126 自閉性障害(自閉症) ■
自閉性障害とは、主に対人関係に特異な障害が見られる広汎性発達障害の1つ。発症率は1万人に1人、男児が女児の4倍多いとされ、ほとんどは3歳までに発症する。
自閉症という言葉は、1943年にアメリカの自動精神科カナーが、早期幼児自閉症という名称を用いて11の症例を報告したことからはじまる。カナーは、自閉症を幼児期に発症した統合失調症(精神分裂病)と考えていたため、この「自閉」という言葉を用いた。
しかし、今日では小児精神病という見方に変わって、知的障害、情緒性障害、対人関係の障害など、子どもの持つ諸機能が広範囲に障害を受ける発達障害のひとつとみなされる。
自閉症の基本的な特徴は以下の3つ。
1.対人関係の障害
2.言語あるいは非言語的コミュニケーションの障害
3.行動や興味の偏り(限定)
通常、3歳までに発症し、男児に多い障害である。
1.対人関係の障害とは、周りの人に関心を示さない、人と視線が合わない、周囲の人に共感することがない、などである。
2.言語あるいは非言語的コミュニケーションの障害とは、話し言葉の発達に障害がある、人の話をオウム返しする、指差しや人の身振りをマネすることがみられない、「ごっこ遊び」や「物まね遊び」をしない、などである。
3.行動や興味の偏り(限定)とは、ある特定の分野の名称を全部覚える、いつものパターンをくずされることに強く抵抗する、常に同じ行動をする、などである。
上記の3つの他に、自傷傾向、パニック、偏食、恐怖反応などを指摘する学者もいる。
たいていの症例では、精神遅滞の診断を伴い、中等度の症状を示すことが多い。また、およそ75%の自閉性障害の子どもは、発達の遅れた機能を示す。
昔は、親の養育態度に問題があり、幼児期の環境が悪いために自閉的行動が見られるとされたが、現在では認知的な障害が原因として想定され、行動的なアプローチにより改善を促していく方法がとられる。
※自閉症についてもっとも早く報告されたのは、メラニー・クラインが1932年にその著書において小児分裂病と記載いた一例である。カナー自身も、自閉症を幼児期に発症した統合失調症のように考えていたらしく、その特徴である「自閉性」の類似点から、「早期幼児自閉症」という名称を用いた。
最近のコメント