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心理学用語集・臨床 153 退行

■ 心理学用語集・臨床 153 退行 ■

退行とは、防衛機制の1つであり、現在の状況より以前の状態へ、より未発達な段階へと逆戻りする様式をいう。発達の視点から見た「子ども返り」の状態であり、これにより欲求不満や不安を解消し、満足を得ようとする現象である。弟や妹の誕生後に夜尿や指しゃぶりが再発することなどは、この退行である。

また、精神分析療法の中で起こる抵抗として現れて、自我が衝動や葛藤についての不安から自らを守るために、退行状態を作り出して、より衝動や葛藤を感じない段階や対象関係へと退行するとみなされる。

さらに自我心理学では、その退行が一次的・部分的なもので、しばしば創造的退行とよばれる。これは健康な自我の一次的・可逆的な退行現象であり、これにより自発的な創造性が高まり自我自律性を促進すると考えられる。加えて、ウィニコットやバリンドらのイギリス中間学派は「治療的退行」という治療のための退行を積極的に重視する。これは治療中にクライエントが全体的退行状態までいたるもので、治療にとって必要不可欠なものである。

※たとえば、サッカー・スタジアムなどで大の大人が子どものようにはしゃいだり叫んだりすること、また母親に甘える父親などは、創造的退行の典型。

▼退行のまとめ
1.「子ども返り」
2.創造的退行
3.治療的退行
 

■キーワード
▼定義
退行とは、防衛機制の1つであり、現実のある時点における発達段階から、より未熟な段階へと逆戻りすることである。これにより、不安を解消し、欲求の満足を得ることができる。

退行は、フロイトがジャクソンの「解体」という概念を発展させたものである。精神分析では、特定の発達段階への固着と退行によって神経症の病型が決まるとされ、治療的退行が必須のものと考えられている。

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第16回 心理学用語・臨床・4」カテゴリの記事

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