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臨床心理学特論 036 精神分析療法の回復過程

■ 臨床心理学特論 036 精神分析療法の回復過程 ■

精神分析療法の中では、その各段階に応じて、さからう相手になる治療的な方向への努力と対をなしているが、それは次のようなものである。

※1.「プラスに働く力」
※2.【マイナスに働く力】

「患者は分析医から助力を得ることを期待する」
【しかし、それはお金と時間のかかる不可解なやや気味悪いものだ等々】

「患者は協力し、指示に従い、“すべてを話そう”等々と思う」
【しかし、それは自尊心を傷つけ羞恥心や困惑等を引き起こす】

「患者の分析医がどんな人物を意味しようとも、その人物から愛を得たいと思う」
【しかし、愛を得ることは、危険であてにならないことだし犠牲を要することだ】

「患者の分析医があまり沈黙し、受動性を保つので腹立ちを感じ分析医にそういいたくなってくる」
【しかし、それを口にすると結果は不愉快で、危険なことさえ起こるかもしれない】

「患者はある程度まで、あなたの思う通りにやっていくようにとの分析医と分析状況の励ましに応じる」
【しかし、この努力は分析医の自己評価を傷つけ“自分がバカに見えたり”不自然で礼を失したもの、また“恐らくは、意味のないことをやっているように見える”】

「患者は抑圧した記憶や抑制した空想を打ちあけるようにすすめられる」
【しかし、“そんなことはできない”、“そんな自分なんてあったはずがない”】

「患者は長年の間抑圧していた無意識の衝動について明確な認識を得ようと努力する」
【しかし、“それはあまりにおっかないことだとしても、私には直視することができない・・・”】

「患者はどんなに自分が幻想や憎しみに惑わされていたかを、ついに垣間見はじめる。そして患者は“今までより、もっとよいやり方”あるいは少なくとも何か一つのより良いやり方で、今までよりは知性的で現実的な選択を見出す」
【しかし、“私には混乱したり困り果てたりする習慣が身についてしまっている。どうしてもそれをやめて、よりよいものに取り替えなければならないのだろうか?本当に私はそれを捨て去りたいと願っているのだろうか、どうしたら私にその確信が得られるのだろうか?”】

「患者はしだいに分析治療と分析医に対する依存心を捨て、分析医に対する自分の非現実的な期待を放棄する。今や患者は自分の人生の問題を自分ひとりで、しかも今までよりはもっと適切に解決できるようになっている」
【しかし、“本当に私には、それだけの準備ができているだろうか?失敗しはしないだろうか?また病気がぶり返しはしないだろうか?”】

分析治療の様々の段階を表すこれらの上旬かされた変化表は、対抗の各段階に見られる典型的な合理づけを示している。それらは精神分析法に含まれる活動的な前進的過程に備わった永久に葛藤的な本性を反映している。

精神分析療法を受ける患者は、”よくなる”ためにはもっと”悪く”ならなければならない。そして、そのいずれの変化も、それに逆らう努力を必然的に引き起こす。抵抗という言葉で正確に呼ぶべきものは、この求められる変化に逆らう反対の努力の、あらわな、そして多彩にわたる現象である。

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