第1章 心理学史 005 行動主義
■ 1 行動主義成立の背景
動物心理学から行動の学習理論が登場。
1. アメリカにおける動物実験(ソーンダイクのネコの問題箱実験など)
2. ロシアにおける生理学的研究(パヴロフの古典的条件づけなど)
これらの研究がワトソンを通じて、アメリカ心理学の1つの方向性へと発展する。
■ 2 ワトソン 「行動主義者の立場からの心理学」(1919年)
意識の状態を内観によって説明する構成主義を批判し、客観的に観察できる行動を対象として、その「法則」を導き出し、人間の活動を予測しコントロールすることを目標であるとする立場を主張した。
「法則」→「予測」と「コントロール」。意識なし心理学。
■ 2-1 目的
人間の行動の予測とコントロール。刺激と反応との対応によって説明が可能であり、「意識」内容は必要ない。
■ 2-2 対象
観察可能な客観的な行動。観察できない「意識」は必要としない。
■ 2-3 方法
主として動物を用いた実験。反応の観察と記録。ヴントが行ってきた「内観」はいらない。
■ 2-4 理論
刺激(S)と反応(R)の結合。内的要因として「本能」の概念を否定した。「本能」は外的な刺激によって学習したものに過ぎないと捉えた。
■ 2-5 用語説明 まとめと・・・
ワトソン(inドイツ)アメリカの心理学者
「動物の訓練」という論文で学位を獲得。ヴントの意識心理学を批判する行動主義を提唱したが、妻との離婚がからんで学会を去り、実業界に転じた。
ワトソンは、心理学が「客観的な行動を対象とすべきである」と主張した。ワトソンの行動主義では、心理学の目的は「行動の予測と制御」であるとし、心理学は客観的、実験的な心理科学の一領域であるから、行動だけに焦点を当て、意識や内観は排除されなければならないとする。「全て目に見える行動でなければならない」とし、客観的行動(overt behavior)を重視した。
※ワトソンの名言
「私に、健康で、いい体をした1ダースの赤ん坊と、彼らを育てるための私自身の特殊な世界を与えたまえ。そうすれば、私はでたらめのそのうちの1人をとり、その子を訓練して、私が選んだある専門家-医者、法律家、芸術家、大実業家、そうだ乞食、泥棒さえも-に、その子の祖先の才能、嗜好、傾向、能力、職業がどうだろうと、きっとしてみせよう」(安田一郎訳「行動主義心理学」)
■ 3 排除主義
ワトソンの「観察対象」は、「身体的反応」(←検証できる)限定し、「行動全体」は無視した。「いらん」とした。これが後の新行動主義のS-O-R理論を生むことになる。
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