カテゴリー「第16回 心理学用語・臨床・4」の7件の記事

心理学用語集・臨床 157 合理化

■ 心理学用語集・臨床 157 合理化 ■

合理化とは防衛機制の1つである。自分のとった行為や態度、思考、感情などに対して、論理的に妥当な一貫性のある説明をつけることにより、自分の望んだ言動を、不安を起こすことなく遂行しようとする心的機制である。これにより自分の中で不安や葛藤を回避し、自我を防衛することが可能となる。

ある種の「屁理屈」や「言い訳」に近い。自己主張、ウソ、ごまかし、といった自己中心的な手段による適応方法といえる。

合理化は、妄想から正常な思考までのあらゆる領域に見られる一般的な過程である。どのような言動にも、合理的な説明をつけることはできるため、その説明を正しくないと判断することは困難なことが多い。一般に合理化は、知性化が不安定になったり、弱くなったものとみなされることが多い。

合理化と知性化の違いは、防衛される感情や欲動との関係において明らかにされる。知性化では、感情や欲動が分離されると共に、知性化の過程自体がこれらの代理満足を兼ねている。これに対し合理化の場合、感情と欲動の分離が十分とは限らず、感情や欲動を正当化するものである。

合理化は、防衛機制の1つとされているが、正確には本当の防衛機制とはみなされない。それは合理化が欲求の充足に直接的に立ち向かう機制ではなく、むしろ欲求の充足と防衛の間に生じた葛藤を隠すために2次的に働く機制だからである。
 

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心理学用語集・臨床 156 同一視(同一化)

■ 心理学用語集・臨床 156 同一視(同一化) ■

同一視とは防衛機制の一種で、自分にとって重要な人のマネをし、同じように考え、感じ、ふるまうことを通して、その対象を内在化する過程をいう。最も原始的な心的規制の1つ。

同一視が起こる過程は以下の通り。
 1.対象を求めるリビドーが何らかの困難にあう
 2.対象に向うのを諦める
 3.代わりにその対象を自我に取りいれる
 4.自我が対象と同じようになる
 5.それに対象との結びつきを果たそうとする

同一視は人格が形成され、自我と超自我が発達するのに重要な方法である。エディプス期において、子どもは親に劣っているという事実に、この同一視を用いることで対処する。自分が親のようになりたいと願い、意識的・無意識的に努力し励む。同一視は子どもの成長させる推進力である一方で、親への敵意感情に対する防衛機能としての役割をも果たすのである。
 

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心理学用語集・臨床 155 昇華

■ 心理学用語集・臨床 155 昇華 ■

昇華とは防衛機制の一種で、社会文化的に許容されない本能的な衝動のエネルギーが、社会的に容認可能な行動に変容させ充実させること。置き換えを基本とする防衛機制である。

 ・攻撃衝動の昇華 →スポーツやゲーム・犯罪小説・ギャング映画
 ・攻撃的加虐的傾向の昇華 →外科医
 ・露出的傾向の昇華 →有名になる・際立った服装をする

フロイトは、昇華を「対象リビドーにみられる1つの過程であって、その本質は欲動が性的満足とはかけ離れた、別の目標に突進する点にある」と定義している。

▼昇華の流れ
1.対象リビドーとして対象に向う
2.文化的・社会的理由で禁止される
3.他に振り分けられる(エネルギーの脱性愛化・中和)
4.社会的に承認されるものに向け換えられる(昇華)
 

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心理学用語集・臨床 154 反動形成

■ 心理学用語集・臨床 154 反動形成 ■

反動形成とは、防衛機制の1つで、自我にとって受け入れがたい本能衝動の意識化を防ぐため、その衝動とは反対方向の態度を過度に強調する規制である。

・子供を愛していない親が、そういう自分を認めたくないので必要以上に物を買い与える
・友人に対して腹が立つのに、本人の前では親切でやさしい接し方をする

この様な場合、本人は特別作為的に行動しているわけではないが、周囲から見るとわざとらしく不快な感じを受ける。「馬鹿丁寧」、「くそまじめ」、「強がり」、「しすぎ」、「ぶっている」などがこれにあたる。
 

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心理学用語集・臨床 153 退行

■ 心理学用語集・臨床 153 退行 ■

退行とは、防衛機制の1つであり、現在の状況より以前の状態へ、より未発達な段階へと逆戻りする様式をいう。発達の視点から見た「子ども返り」の状態であり、これにより欲求不満や不安を解消し、満足を得ようとする現象である。弟や妹の誕生後に夜尿や指しゃぶりが再発することなどは、この退行である。

また、精神分析療法の中で起こる抵抗として現れて、自我が衝動や葛藤についての不安から自らを守るために、退行状態を作り出して、より衝動や葛藤を感じない段階や対象関係へと退行するとみなされる。

さらに自我心理学では、その退行が一次的・部分的なもので、しばしば創造的退行とよばれる。これは健康な自我の一次的・可逆的な退行現象であり、これにより自発的な創造性が高まり自我自律性を促進すると考えられる。加えて、ウィニコットやバリンドらのイギリス中間学派は「治療的退行」という治療のための退行を積極的に重視する。これは治療中にクライエントが全体的退行状態までいたるもので、治療にとって必要不可欠なものである。

※たとえば、サッカー・スタジアムなどで大の大人が子どものようにはしゃいだり叫んだりすること、また母親に甘える父親などは、創造的退行の典型。

▼退行のまとめ
1.「子ども返り」
2.創造的退行
3.治療的退行
 

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心理学用語集・臨床 152 動物磁気

■ 心理学用語集・臨床 152 動物磁気 ■

ウィーンの医師メスメルが「人体に及ぼす遊星の影響について」という論文の中で、遊星の影響と物理学における磁気の概念に着目し、人体の中にも磁気が存在すると仮定。この磁気の分布が適当でないときに病気が生じると考え、この力を動物磁気と呼んだ。

メスメルは、この動物磁気を用いて患者の治療に成功するが、フランス政府により設置された委員会の報告の結果、メスメルの理論は否定される。これによりメスメルの評判は知に落ち、以後、人生を世に知られることなくすごす。しかし、この治療における暗示の効果は着目され、後の催眠研究に大きな影響を与えたのも事実である。

※メスメルの動物磁気を利用した治療法
 1.患者は磁気をおびた桶に入る
 2.桶の中には金属や水が入っている
 3.メスメルは患者に手を触れ、磁気を与える
 4.患者はメスメルに触れられ、痙攣を起こし失神する
 5.患者が目覚めると病気が治っている
動物磁気を多く備えるメスメルが触れることにより、患者の磁気バランスがよくなるという理屈だが、しかし実際は、治療環境によりトランス状態を生み出す暗示によるものと考えられている。
 

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心理学用語集・臨床 151 催眠性トランス

■ 心理学用語集・臨床 151 催眠性トランス ■

催眠には、催眠暗示現象と催眠状態の2つの側面がある。この2つは、相互に関連して催眠を構成している。催眠の意識状態としての側面のことを、催眠性トランスという。通常、催眠にかかっていても意識はなくならないが、催眠状態が深くなるにつれ徐々に意識レベルが低くなっていき、頭がボーっとした状態になるのが特徴である。

この催眠性トランスとよばれる意識状態では、理性的な思考は弱まり、イメージ的な思考が顕著となる。この様な状態になると、非常に受動的で自発性に乏しい状態になり、自ら進んで行動しようとしなくなる。これも催眠性トランスの特徴である。
 

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